【症例ご紹介】長い破折器具を除去した症例
ここでは高野歯科医院の歯内療法担当医、高野晃の症例を紹介させていただきます。東京医科歯科大学(現東京科学大学)の歯髄生物学分野(むしば外来、歯内療法学分野)での症例になります。
器具破折が生じたが除去できないため、破折器具の除去および根管治療を依頼された症例です。元々当時は病変が大きくある症例ではありませんでしたが、破折器具が長く、本来の根管のほとんどが清掃できていない状態のため、予後に懸念が残ります。本症例では、なるべく自身の歯牙を切削せず、破折器具を除去して根管治療を行っていく方針としました。
破折器具を認めるすべての症例で除去が必須というわけではなく、除去の必要性の見極めも重要です。
なぜなら除去するためにはある程度歯牙の切削が必要なため、歯牙の強度がおちてしまうからです。
破折器具を除去した症例の経過を掲載させていただきました。
このまま器具が除去されず放置された場合、感染が進行し抜歯にいたる可能性があります。元々病変は大きくありませんでしたが、患者様は破折器具があること自体が心配で不安だったようです。除去されたことで、とても安心されたそうです。
ただし冒頭で申し上げた通り、必ずしも全て除去する必要があるとは限りません。
外科的に除去する場合もありますし、除去しない場合ももちろんあります。
高野が新品の道具を使用しても、折れ込んでしまうことはあります。
もしも破折器具があったとしても、状況の把握が大事ですので、気になりましたらお気軽にご相談ください。